立方八面体(14面体)と面心立方構造

立方八面体

立方八面体(cuboctahedron))は、正方形6つと正三角形8つからなる準正多面体である。

立方八面体と立方体

立方八面体は次に示すように、紫色の玉でできる立方体の頂点を各辺の中心までで削り取ることでできる立体である。

立方八面体と正八面体

立方八面体は次に示すように、赤色の玉でできる正八面体の頂点を各辺の中心までで削り取ることでできる立体である。

立方八面体を1方向に重ねて並べた立体

立方八面体は正方形の面が重なるように並べるといくつでも横に重ねて並べることができる。下の図は2つ重ねて作った立体である。

立方八面体を2方向に重ねて並べた立体

立方八面体の正方形の面は、x方向・y方向・z方向を向いているので、この面が重なるように、3方向にいくらでも重ねて並べることができる。ただし、立方八面体を並べていった場合には、隙間ができることになる。下の図は立方八面体を4つ重ねて作った立体である。

立方八面体は面心立方構造から切り出されたクラスターの1つである

立方八面体の中心にも玉(Node)を配置すると、この立体は面心立方構造(立方最密構造)になることが分かる。よって、立方八面体は面心立方構造から切り出されたクラスターの1つになることになる(2011年の阪大の化学の入試問題で出題された)。

同じサイズのボールで最も密に平面を敷き詰める敷き詰め方は1つであり、それはボールの中心を結ぶと正三角形を形成するような並べ方である。これは1つのボールを中心に6個のボールが並び、その6個のボールび中心を結ぶと正六角形になるような並べ方である。その上にボールを密になるように載せる載せ方も一律に決まる。つまりは、最初の層に並んだボールの窪みに第2層のボールが配置される並べ方である。第2層に来るボールどうしもその中心を結ぶと正三角形になる。その上に第3層になるボールの積み上げ方は2種類ある。その1つは第1層のボールの真上にボールが配置されるような並べ方(積み上げ方)である。これが六方最密構造である。もう1つが立方最密構造(面心立方構造)で、上の図の通り第1層が作る正三角形とは逆になるような正三角形を作るように積み上げる並べ方(積み上げ方)である。

立方八面体が面心立方構造から切り出されたクラスターの1つになっていることは、立方八面体(中心にも玉を配置したもの)を2つ重ねたものを考えると理解し易い。下の図がそれであるが、面心立方の単位格子をはっきりさせる為に、青のStrutで立方格子(立方体)の辺を繋いだ(ただし、現状のZomeには丁度よい長さのStrutがないので、立方体の1辺は2本のStrutで示さざるを得なかった)。